田中宏巳のこの本って、評者の読みとはぜんぜん別の意図で書かれたものじゃないですか？「太平洋戦争」を単一のものじゃなく各地域の多様さの中で実体として捉えようとしたもので、それにはＢＣ級戦犯の中にある多様さを書かなくちゃいけない、とすれば、巨視的になるのは当然だと思いますけど…。もちろん実際的な説明が少々粗いのは残念なところですけど、作者の目論見は一定の評価はしなくちゃならないんじゃないかと思いますよ。