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もういいよ、乙武クン

週刊新潮 2002.10.10

まあまあ(10点)
2002年10月7日
ひっちぃ

四肢を持たないがスポーツライターなどとして働いている乙武洋匡。日本テレビが彼に運転免許とらせたり大陸横断させたりして特番作っていることへの批判。彼ほと有名でなければ不可能だ。

乙武洋匡は四肢を持たないことによって活躍しているということ以上に、彼自身のやる気と能力によって活躍しているのは事実だろう。もちろん彼が四肢を持たないからこそここまで活躍できているのもまた確かであるが、すべてをひっくるめた上で彼が特に過剰に持ち上げられているわけではないと私は思う。

しかし、記事が言うように、番組を作る姿勢によっていくらでも煽ることができる。四肢を持たない彼が念願の自動車免許を取った! だとか、そのうえ車で大陸横断! という番組を作るのには疑問がある。というのは、周りのサポートやテレビという媒体の後押しを受けられるのは、彼が乙武洋匡だからなのだ。高価な改造車をアメリカから持ってきたり、何かあったときのためにスタッフが控えてたりするのは、通常の障害者には絶対に不可能なことだ。

たしかに障害者にとっては、いろんなことを実現してしまう彼の行動は夢のある話なのかもしれないが、むしろまったく夢のない話であると言った方が良いのではないだろうか。もっと身近で大抵の障害者にとって実現可能なことの方が、障害者を励ます効果が大きかっただろう。

障害者に感動話といったタブーに近いことに切り込んだこの記事を評価したい。

ところで、乙武洋匡はコミュニケーションが下手だ。四肢がないのにスポーツが好きでスポーツライターをやりたいという彼の熱意には敬意を持つが、ひとたび彼がテレビで対談しているところを見るとはっきりと分かるように、相槌の打ち方や会話の間といった基本的なことがとても未熟なように思う。これまで人と自然に会話する機会が少なかったのではないか。

[参考]
http://www.shinchosha.co.jp/
shukanshincho/
main.html

(最終更新日: 2016年4月29日 by ひっちぃ)

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