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ポポロクロイス物語

SCEI

いまいち(-10点)
2005年4月30日
ひっちぃ

プレイステーションを出したソニー(SCEI)が、立ち上げ時に自社開発したRPG。かわいいキャラクターたちとほのぼのしたストーリーがウリ。新しいハードであるCD-ROMの強みを生かすためかアニメーションが挿入されている。

たったいまクリアしたところなのだが、ほのぼのした絵柄の割にかなり骨のある難易度だった。フィールドを歩いていて強い雑魚キャラに当たり、運悪く強力な技ばかりハメのように食らうと、あっという間に全滅してしまう。ボスもかなり強く、そのおかげで経験値稼ぎにいそしむ必要がある。プレステが出たての頃の、1996年に出た作品なのだから、しょうがないところか。気楽に楽しむことは出来ないと思ったほうが良い。

辛辣な言い方をすると、この作品は二流の人たちが集まって作ったものだ。いま一歩の点が多い。三流なところは少ないので悪い作品ではない。

まず良い点を言うと、キャラクターデザインがいい。のちにテレビアニメに展開してみせただけあって、最初から狙ってデザインしていたのだろう。ピエトロ王子に限って言えばかなりいい仕事をしている。ガミガミ魔王はバイキンマンのコピーみたいだが、メカ好きで機械仕掛けのアジトに必ず和室を作るところが面白かった。白騎士はトイストーリーの影響か機械仕掛けのコミカルな騎士だ。森の魔女ナルシアは割とかわいくデザインされていていい。カイもいい感じ。設定がベタだけど、最低限のところは押さえている感じ。

戦闘システムは四角い升目になっている。最初はちょっと面倒に感じたが、最終的には慣れた。ゲームの初心者には壁となるかもしれない。エンカウント後にそのままフィールドマップが戦闘マップになるのが面白い。ただ、地形を利用した仕掛けがあるわけではない。せっかくマップにしているのに、全体攻撃でマップ上のどこにいようと同じだったり、敵の移動距離が長くて何の意味もなかったりと、生かしきれていないのが残念。

ダンジョンはどれもそつなく出来ている。グラフィックもまずまずいい感じ。仕掛けのバランスが良かった。外のフィールドも結構描きこまれている。ちょっとどこが通れるのか分かりにくいところもあったが、悪くはないとおもう。

ストーリーは微妙。悪くもないが良くもない。ピエトロ王子がおかあさんを探す話。実のところこれといった感動はなかったが、終盤で「僕のせいだ」と飛び出すシーンは良かった。白騎士とガミガミ魔王が仲が悪いところは面白かった。

続いて悪いところ。

何が一番悪いって、やはり戦闘バランスが悪すぎる。私はもう何度全滅したか分からない。ゲームをいつ投げ出しても不思議ではなかった。キャラクターのHPが少ないのか、敵の攻撃力が高いのか、一撃でかなり減らされる。運が悪いとちょうどいい強さの敵でも一人ぐらい死ぬ。こんなバランスになぜしたのだろうか。それとももっとレベルを上げてから進めということなのだろうか。

途中でどこでなにをすればいいのか分からなくなったことがあった。あまり親切な作りになっていない。見た目よりも硬派なRPGだ。

私はこの作品を、以前一緒に仕事をしたやたらカラオケのうまい遊び人風の同僚に勧められて、手を出してみた。この作品の良し悪しはともかく、この作品のどこが彼のツボに入ったのかよくわからない。彼は続編もやったらしいが、この初代が一番良かったとのことだった。というわけで私はこのシリーズはもう手を出さないと思う。

このシリーズ、ゲーム好きならば一度は手を出してみようかと考える私のような人間がいくらかいると思うが、手を出すなら最新作か続編のほうが親切な作りになっていると思う。いまのFFシリーズしかやっていない人に初代FFを勧めるようなものだ。

それでもやろうという人に助言はしておこう。貯金箱を忘れずに。薬は買い貯めてじゃんじゃん使おう。面倒でも地道に経験値貯めをすること。新しいエリアに来るとめちゃめちゃ敵が強いことがあるので、逃げやすい場所で様子を見て、全滅しても諦念を持つこと。以上。

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