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実質実効為替レート
為替レートとは二つの通貨間の交換比率を指すため、一つの通貨の絶対的な強さを測るための指標にはならない。そこで多国間の平均を取った仮想的なレートを実効為替レートとした。しかしそれでも物価の違いに影響されるため、インフレ率で掛けたものを実質実効為替レートとして発表しているもの。

ニュースを見ていると、1ドル120円でも今となってはかなりの円安だ、みたいなことを言っている人がいて、正直最初意味が分からなかった。1ドル80円の頃と比べて一体なにが違うのか、詭弁と言えないような強引な物言いだなあと半ば呆れながら聞いていた。しかしようやくそっちが正しいことに気づいたのだった。

日本では現在失われた20年が継続中であり、世界各国が経済成長を続けてGDP(国民総生産)なんかが右肩上がりなのに比べて、日本はほとんど上がらないどころか時々マイナスになるぐらいだ。その理由は、単純に日本がデフレだからだ。

おおざっぱに言うと、世界中の国々で国民の収入が1.5倍に増えると同時に、物価もまた1.5倍に近いぐらいに上がっている。GDPが1.5倍に増えたからといって1.5倍豊かになったわけではない。

だから、1ドル80円は超円高だとかなんとか言っていた方がおかしかったのだ。日本が世界中の国々と同じように正しくインフレしていたら、自然と為替レートはそれに合わせて下がっていたはずなのであり、逆に言うと日本がデフレだったからこそ為替レートは上がり続けたのだ。

それなのに、輸出企業を中心にした経団連なんかが超円高でもう限界だとかなんとか言って、通貨安政策をとるように言っていた。日本はデフレなんだから生産に掛かる費用だって抑えられており、実質的にはまったく円高ではなかったにも関わらずである。

そんな状況で円が大量に刷られた結果、円安が進んで輸入品の値段が上がったため物価が上がり、ようやく日本もデフレから脱却した(実質実効為替レートが実効為替レートに近づいた)。しかし労働者の賃金はほとんど増えなかったため、労働者だけが貧しくなった。

つまり、日本のデフレは実質的には円安政策だったのだ。世界各国が健全なインフレのもとで生産コストを上昇させていたのに対して、日本はデフレで生産コストの上昇を抑えて競争力を維持しようとした。金融やっている人たちはそれが分かっているから円の本当の価値を知っていて「超円高」になった。

というようなことを分かりやすく報道しないから、日本の労働者は問題の本質に気づかず、海外の業者への不満を抱くようになっている。穀物の値段が上がっているのだって健全なインフレの結果であって、自分たちの給料が低く抑えられているせいだとは微塵も思っていない。圧倒的な収益力を持つアップルが強欲にiPhoneを値上げし続けているだとか、インテルは競争相手がいないからCPUを強気で値上げし続けているだとか言って、日本の異常性にはまったく目が向いていない。世界中のほとんどの国ではそのあいだに給料が増え続けていたのだという事実を知らない。

せっかく日銀が「実質実効為替レート」という言葉を使っているのに、それを国民に知らしめようとしないのは一体誰のせいなのだろうか。
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