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箆楼紗残照
トルコに住んでいる日本人の作者が、イランに一ヶ月滞在したときのレポート。ペルシャを継承したイランの文化程度の高さを報告している。

イランは一旦王制により民主化されたものの、宗教指導者が統治する制度に戻って今に至っている。あの CIA の汚点と言われているアメリカの人質事件などの失敗により、アメリカから相変わらず敵視され、イラクと北朝鮮と共にテロ支援国家と名指しされている国の一つになっている。

ちなみに、このまえ the simpsons というアメリカの有名なアニメを見ていたら、「おまえはイランから人質が帰ってきたときもそんなに喜んでいなかったのに(どうしていまそんなに喜んでいるんだ?)」という表現が出てきてびっくりした。アニメに出てくるぐらいだから、多くのアメリカ国民にとってそれほど印象深い事件なのだろう。

アメリカや自由主義陣営のメディアによって、イスラム原理主義が支配する遅れた野蛮な国として報道されることの多いイラン。作者は世界をよく知る教養人であるのだが、それでも一ヶ月滞在して自分の先入観と全く違っていたと言っている。

イランはかつてのペルシャを継承する国だという。イランは実は多民族国家なのだが、ペルシャ語という言語によって一つにまとまり、ペルシャの文化と歴史を主柱に国がよくまとまっているそうだ。ペルシャ文字はとても美しく芸術的で、街頭を優雅に彩っているらしい。

教育環境がよく整っており、中でも書籍類は安価で手に入れることができるという。西側諸国で刊行される書物のうち、読まれる需要のあるものは、通貨の強弱があるとはいえ欧米の十分の一の値段で出回るそうだ(海賊版か?)。そのさまを作者は、少年がおやつにポテトチップスとジュースを一二日我慢すれば本が買えてしまうと言っている。

かつて東南アジアのある国の偉い人が、日本にやってきて通勤電車で多くの人が本を読んでいたのを見て驚き、自分の国もこうでありたいと言って帰ったそうだ。イランは市民と書籍の距離が近いので民度が高いのではないかと作者は言う。

また、最後に作者はトルコとの比較をしている。トルコはオスマン帝国の継承者であり、スルタン・カリフ制だったかによって一度はイスラムの頂点に立ったこともあり、イスラム系国家の雄を名乗っているかのようであるそうだ。しかし、オスマントルコはもともとペルシャの文化を見習い継承したのであり、いまのトルコはペルシャ的なものを排除して民族主義に走っている、と痛烈に批判している。

いまアメリカがイラクを攻撃しようとしているところだが、イラクもまたアラビアンナイトの世界を継承した国家であり、優れた文化的土壌を持ち、選挙制のある近代的な国家なのである。我々の視野・先入観は、常に疑われなければならないだろう。
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