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「軍命令は創作」初証言 渡嘉敷島 集団自決
第二次世界大戦中に渡嘉敷島で軍が住民に自決命令を出したとされていたが、国から保証金を貰うための偽装であるとの証言が出たという記事。琉球の政府関係者らが軍の隊長に提案し、隊長が汚名を自らかぶることに同意したという。

単純な美談ではないところが非常に興味深い。彼らはわざわざウソの書類を書いて政府に提出したのだそうだ。おかげでこの件は大江健三郎によって、軍から命令されたことがはっきりしている集団自決と書かれた。私たち子孫も間違ったことを学ばされた。得をしたのは死んだ住民の遺族だけだ。

日本人が集団として無責任体質を持っていたことが如実に分かるエピソードだ。

この赤松隊長のように自分たちだけで泥をかぶった人々は戦中戦後多かったのだろう。そのおかげで民衆は戦争を軍の責任にすることができ、自分たちに責任が及ぶのを避けた。それは軍関係者の本意でもあったろうが、私たちは過去から学ぶ機会を失っていた。

ただ、こういう日本人の無責任体質を単純に責めるわけにもいかないだろう。このメンタリティを持つことが、日本人という集団や文化の存続に貢献してきたわけであり、民族の知恵と言うべきものであるからだ。
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