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「ゾンビ」(ドーン・オブ・ザ・デッド)
 映画界における名作中の名作!!
・・・私は思う。

 冒頭がとにかく素晴らしい。巧妙だ。
「ゾンビ」っていう生ける屍が人間を襲うというニュースではじまる。
いきなりの急展開で観客が取り残される独りよがりな映画だと誤解されそうだが、
「取り残される」ことはなく、「引きずり込まれる」という感じだ。
「ゾンビ」という超常現象に対して、パニック気味のニュースキャスター。
終末的な意見をしゃーしゃーと述べる変な知識人。
冒頭から、絶望的な世界観に引きこまれる。
変に「ゾンビ」という現象に理由をつけないところがとてもすがすがしい。
放射能だとか、化学物質だとか、軍の陰謀だとか、はたまたオカルト呪術だとか・・・、
なにやら原因があったら、それを語る映画になってしまうからだ。
冒頭からいきなり原因不明の超常現象を語りだす手口が斬新だと思った。
バイオハザードなどの最近のゾンビ映画のほうが、なんか古臭くすら感じる。
型にはまったゾンビ映画は、冒頭で一生懸命、ゾンビが発生した原因を語る。
バタリアンのように、その原因がストーリー上の重要な意味をもっているならそれはそれでありだと思うが、
そうでもないのにウダウダ語るとお話全体が薄っぺらくなる。

 この映画の一番素晴らしいところは人間描写だ。ホラー映画というと、オバケ屋敷のようなイメージで、単に人を怖がらせたり驚かせたりするものという捉え方をされることが多いが、これは間違いだ。人が何に恐怖するかということの追求は、とても奥深い世界であると思う。

 本作のゾンビは、一体では、ノロマで、ひたすら人間をかじるしか脳がない存在だ。
ちょっとタックルをかましたりしたらすぐに倒れるし、フェイントとかに引っかかる無能な化け物だ。
何が脅威かというと、膨大な物量で襲ってくるケースと、かまれた人間がゾンビ化するということだ。
 フレディやジェイソンのような無敵のホラーヒーローが暴れまわるわけではない。人間はなすすべなく怯え逃げ惑うわけでもなく、伝説の武器で敵を退治するわけでもなく、己の知恵で戦うのだ。
まるでパズルを解くように、ゾンビ達を隔離したり、分散させたりしながら。

 ゾンビに追われた主人公達はショッピングセンターの倉庫に潜伏する。
ゾンビから見つからない安全地帯を作り、時には危険を冒しゾンビが溢れるショッピングモールにある様々な富を得ながら、
なんか、うまく生活してしまうのだ。
毛皮のコートを着てフカフカのソファに座りながら、上等なワインを飲む。
銃砲店もあるから、優れた武器も手にすることができる。
電気屋から調達してきたテレビで世の中の動向をさぐるのだが、
・・・テレビだけは悲惨な現実をしらせてくれるのだ。物質に恵まれた豊かな生活と、外界の悲惨さの対比が素晴らしい。

 終盤のストーリーも素晴らしい。
主人公達の豊かな生活は、ゾンビによってではなく
人間によって破壊されることとなる。
 冷静さを失ったトリガーハッピー状態の人間が破滅に向かってゆく姿が描かれている。これは、時代背景的にベトナム戦争の影響があるといわれている。解釈の仕方は人それぞれだと思うが、戦争映画という見方もできるかもしれない。

 私は、この映画を観てある意味後悔した。
これ以上の映画を見つけるということがとても大変なことだと思った。
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