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放課後さいころ倶楽部 5巻まで
内気で人と同じものに興味が持てず一人で過ごしがちだった高校生の女の子・武笠美姫が、何事にも興味を持ち体当たりでなんでもやっていく転校生の女の子・高屋敷綾と出会い、二人でうるさいクラス委員長の大野翠の秘密を探ろうとして彼女の好きなアナログゲームの世界に導かれる。少年マンガ。

2019年にアニメ化されたのだけど、その前にネットでこの作品のことを知っていて少し読んでいた。アナログゲームを扱っているところは興味深かったんだけど、話の内容はいまいちだなあと思って5巻で読むのをやめた。最近になってまた改めてもう一度読んでみたけど、やっぱり5巻でもういいやとなったw

日本では一般にボードゲームと呼ばれることが多いけれど、ボード(ゲーム盤)やカードやダイス(さいころ)といったコンピューター以外のもので遊ぶのをアナログゲームと呼び、そんなゲーム全般をこの作品では扱っている。大体一話で一作品、登場人物の人間模様をさまざまなゲームのプレイとリンクさせて描いている。

まずは内気な武笠美姫に焦点を当て、マラケシュというゲームをプレイする中で大野翠と相談して勝利を目指すことで二人の交流を描いたり、リスクを取らなければならない「インカの黄金」というゲームをプレイする中で度胸を身に着けていくさまを描いたりしている。

転校生の高屋敷綾は基本的に明るく元気で頭からっぽ(!)のキャラなので特にそういうのはないんだけど、彼女を好きになった男の子をゲームで無意識に振り回したり、冒頭で紹介したエピソードのようにとにかくフットワークが軽いので三人娘の行動の起点になったりする。

クラス委員長の大野翠はアナログゲームの専門店でアルバイトするほどのゲーム好きで、しかもプレイするだけでなく自分もゲームを作るデザイナーになりたいと思っている。

彼女が初めてオリジナルゲームを作る回もあって、素人が作ったゲームがどんな風になるのかを厳しく描いていていいなと思った。作者は実際に編集さんと一緒にゲームを作ってショップ店員さんにダメ出しをしてもらったらしく、それをそのままネタに使ったとのこと。

あとになって四人目としてアナログゲームの本場ドイツから来た留学生の女の子エミーリアが登場する。彼女は幼いころからアナログゲームに親しんでいたことから大野翠に勝るとも劣らない知識を持っている。日本では父親がやっているゲームカフェで働いていて、その父親が寡黙なドイツ人なのがちょっとおもしろかった。彼女自身はとても明るい。

この作品のおもしろいところは、毎回いろんなゲームを登場人物たちが楽しそうにプレイしながら紹介してくれることだと思う。自分はゲーム自体に興味があるのでこれだけでも十分楽しめた。ゲームのポイントや逆転劇なんかが実際のゲームプレイとして描かれるのでわかりやすかった。

一方でこの作品のいまいちなところは、毎回ゲームと絡めて話が作られるため、どうしても展開が限られてしまったり、話が広がりにくかったりすることだと思う。たまに三人娘とは関係ない人々がゲームをする話があって、そっちも普通におもしろかったんだけど、逆に言うと三人娘である必然性を感じなかった。

文化祭でみんなでゲーム喫茶をやる話があって、生徒会に企画を通すところから当日のトラブル回避までしっかりした話の展開があったんだけど、なんだかそこまで楽しめなかった。自分が彼女たちにそれほど興味を持ってなかったからだと思う。

中長期的に話の展開が気になる点がなかった。前述の文化祭の話はちゃんと出し物が成功するかどうか楽しみになるはずのところだと思うんだけど、別にどうだっていいように感じた。これはもう話の展開というよりはキャラクターに魅力を感じなかったからかもしれない。

一つのゲームを掘り下げて大会なりを戦っていく話にしたら盛り上がったかもしれないけど、さすがに囲碁や将棋ほど奥行きがあるわけでもないし、一つのアナログゲームを知っている人は限られているし、そのゲームの戦術にどれだけ興味を持てるのかも厳しいかもしれない。まあ将棋のマンガで読者にそこまで伝えているかというとそんなことはないんだけど。

そういえば高橋和希「遊☆戯☆王」も最初はアナログゲーム全般で戦う話だったけど、トレーディングカードゲームを出したところ読者の食いつきが良かったことからカードゲームだけの話になったと作者が書いていた。

ライバルがいて競い合っていたらおもしろかったかもしれないけど、そっちもちょっと想像できなかった。春野友矢「ディーふらぐ!」はちょっと違うとして(笑)、葵せきな「ゲーマーズ!」なんかだと、ゲームに対する考え方の違う二人が仲良くケンカしたり、ゲームがそんなに好きじゃないキャラがいて人間関係がこじれていたり、男女が単純にゲームでの優劣を競い合っていたりして楽しかった。

雁屋哲・花咲アキラ「美味しんぼ」みたいにひたすら一話完結で料理をゲストの人間模様に絡めて描いていく感じを目指していたのかもしれないけど、あの作品はなんだかんだでキャラクターが魅力的だったり毎回話が考えられていたりしたと思う。自分はあんまり好きじゃなかったけどw

絵は見やすいし女の子も男の子も普通にかわいいと思うんだけど、学習マンガっぽい独特のクセがあって自分は正直そこまで魅力を感じなかった。

というわけで万人に勧められる作品ではないと思うんだけど、かわいい女の子たちがいろんなアナログゲームをプレイするというこの二点で満足できそうなら読んでみるといいと思う。
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